(1)同友会の入会とは
会員は、長崎県中小企業家同友会に入会したのであって、所属する支部に入会したのではありません。なかには「支部=同友会」と誤解している会員もいますが、同友会はもっと大きく深い運動体です。したがって、支部の例会や行事に参加するだけでは、同友会のほんの一部しか参加していないことになります。県や全国の行事にも積極的に参加し、自らの活動を広がりのあるものにしていくことが大切です。
(2)同友会の学びの場
① 入会したら、まず新入会員オリエンテーションへ参加する
同友会には多くの学びの場があります。しかし、効果的に学びを得るためには、同友会への参加姿勢や同友会の基本を知っていなければなりません。したがって、入会後直ちにこうした研修に参加することが必要です。
「新入会員オリエンテーション」では、同友会の組織や活動内容、同友会で学び自社が変わった実践報告を聞くことにより、同友会への参加姿勢や活用法などを知ることができます。
また、同友会の理念や歴史、同友会の提唱する基本的な考え方、めざす企業像などを知ることができます。
こうした同友会の基本を知ることにより、より早い段階で同友会の本質を学び、正しい活動が可能となります。「入会→新入会員オリエンテーション」というステップは、すべての新入会員が参加すべき同友会への入り口です。
② 同友会には「学びの場」がたくさんある
同友会には多くの組織があり、それぞれが独自に例会や会合を企画・開催しています。会員は長崎同友会に入会したわけですから、支部の例会以外にも参加することができます。
1)例会
会員にとって一番身近な学びの場が支部例会です。毎月1回の例会は、「経営体験報告+グループディスカッション」を基本に、「学ぶ」ことを中心に開催します。
2)合同例会
年に何回か開催される合同例会では、会員が地域を越えて学び交流でき、地域ではできないスケールメリットを生かした例会を開催します。
3)セミナー・経営者塾
同友会では経営指針の成文化、社員と共に育つ企業風土の確立を、経営の根幹としてすべての会員企業での実践を呼びかけています。この2つの課題実践の場として、全県的に参加をよびかける「経営指針実践セミナー」と「新入社員フォローアップ研修」の2つの講座をはじめとして、就業規則や財務など専門的課題をテーマとした講座を経営者塾として開設しています。
4)研究会
経営に関する同じ課題を持った有志会員が地域を越えて企画・運営する研究会では、各会員企業の専門的な課題を、継続的により深く研究します(研究会の設立には所属する組織の役員会の承認を要します。例えば、県の研究会の設立には理事会の承認が必要です)
5)県行事
長崎同友会が主催する4大行事があります。
・定時総会(4月開催)
定時総会では、新年度の方針説明をします。役員は必ず参加し、年度方針を確認し、各組織で実践します。
・経営フォーラム(年1回秋に開催)
会員の経営課題を議論する分科会が設営されます。会員はそれぞれ自社の経営課題を持ち寄り、徹底討論し戦略を学びます。
・賀詞交歓会(1月開催)
年初における交流の場とします。他支部会員や来賓との交流を通して互いに新年の抱負を確認します。
・役員研修会(随時)
県や支部の役員、役員候補の方を対象とし、同友会の歴史・理念、役員としての心構え、実践事例等の報告をもとに同友会理念実践と体現者育成を目的とします。
6)全国行事
中小企業家同友会全国協議会(中同協)が主催する行事では、全国の優秀な報告者および意識の高い参加者との意見交換や交流により、レベルの高い学びが得られます。全国行事には、以下の全国3大行事と、専門分野の交流会等があります。
【全国3大行事】
・定時総会(7月開催)…同友会運動を深める
・青年経営者全国交流会(9月開催)…企業と同友 会運動の後継者養成を図る
・中小企業問題全国研究集会(2月開催)…時代に マッチした経営戦略を学ぶ
【専門委員会交流会】
・女性経営者、人を生かす経営、経営労働問題、共同求人、社員教育、広報・情報化、障害者問題などの交流会が開催されています。
(3)同友会での学び方
① お互いの経営体験から学びグループディスカッションで深める
同友会の学び方の特徴は、経営者同士が謙虚に「学びあう」ことにあります。「強靭な経営体質の会社にしたい」という共通の目的を持った経営者が、お互いの知恵や経験を報告しあい、互いの優れた点や足らない点を指摘しあうことにより、他社の知恵や経験を自社に取り入れることができます。そのためには、「どこからでも誰からでも学ぶ」といった積極性や素直さが大切です。 また、同友会ではグループディスカッションを手法として多く用います。グループディスカッションでは、他の参加者の経験を聞くことができ、自社の経験を提起することにより、さらにテーマを深めることができます。 また、同じ経営体験報告を聞いても、聞き手によって「聞き方=学び方」が違います。この違いから「学び方を学ぶ」ことができます。
② 学んだことは自社に持ち帰る
同友会でいくら良い学びを得ても、自社で実践しなければ会社はいつまでたっても良くはなりません。私たちは経営者である以上、自社で実践し成果をあげることが重要です。
さらに自社での実践結果を例会で報告し、他の会員の参考となることにより会自体のレベルアップが図れます。より高いレベルの会からは、より高いレベルの学びが得られ、自社で実践することにより自社もさらに良くなります。
このように、「学び→自社で実践→会で報告・還元→さらに学ぶ」という学びのサイクルを確立し、同友会と共に自社も成長するといった仕組みをつくり上げることが大切です。「企業経営と同友会は不離一体」といわれるのは、こうした仕組みができるからです。