11 例会について

(1)同友会らしい例会とは(学び方を学ぶ)

同友会はお互いの学び合いを称して「会員一人ひとりが先生であり、生徒でもある(会員は辞書の1ページ)」といっていることから、同友会の例会は講演や講話ではなく、「報告」と呼びます。経営者自らの経営体験を振り返りまとめることで、「何のために経営しているのか」を見つめ直す機会になり、強みや経営課題を再認識できます。その内容を例会などの場で「報告」することで親身のアドバイスを受け、さらなる経営体質改善につながります。報告者が一番勉強になると言われる理由です。機会があれば「気楽に恥をかくつもりで」進んで経営体験を報告しましょう。

報告を聞く側の姿勢としては、ともすると、「あの位のことならウチでもやっている」「あの業種だからできること、ウチは別だ」という風に受けとめがちです。これでは謙虚に学んだことになりませんし、いくら他人の経営体験を聞いても進歩がありません。

学ぶとは、その人の経営の中から普遍化できるもの、一般化できるものをつかみとり、創造的に自社に活用していくことです。

特に経営体験を聞く場合は、様々な手法も学びますが、何よりもその人の経営者としての生き様、経営姿勢を深く理解することが大切です。

何をどう学ぶのか、学び方の修得こそ私たちに求められる重要な課題です。

また、「学び→企業で実践→例会で報告→会に還元」という「同友会と共に成長する企業づくり」をめざしていることが、例会を魅力あるものとしています。

例会の企画・準備・実行のいずれにも、次の3点を大切にしましょう。

  1. すべての活動に自主・民主・連帯の同友会精神が貫かれるようにしましょう。
  2. すべての中小企業家を対象にしているという姿勢で取り組みましょう。会内にだけ眼を向けているとマンネリ化し、活力を失います。
  3. すべての活動を会員拡大に結び付けましょう。

以上、3つの点に留意しながら「同友会は出席すればするほどメリットがある」と、同友会の素晴らしさについて実践を通して会員が理解できるよう心がけましょう。また、こうした同友会らしい例会を、地域の会外経営者にも積極的に勧め、同友会活動の認知を広げ、会員拡大につなげます。

(2)例会

会員にとって例会は同友会活動の基本です。例会を充実した「学び」の場にすることが、会員一人ひとりにとって「同友会に所属していてよかった」と感じることであり、ひいては支部の活性化や拡大につながります。

よい例会をつくるポイントは主旨、目的をはっきりさせることと充分な準備です。これらの点を役員会で討議を重ね、より充実した例会をつくり上げていきます。

報告者選びも重要なポイントです。原則は、支部会員の中から選ぶことですが、大切なことはその例会のテーマにふさわしい報告者であるかどうかです。適当な報告者が見つからない場合は、事務局から紹介を得ることも可能です。同友会には様々な業種、業態で、素晴らしい経営をしている会員が多くいますので、必ずテーマにふさわしい報告者をみつけることができます。

そして、例会終了後の役員会では、一人ひとりの感想と反省を共有することにより深い学びと次回への教訓を得ます。

(3)合同例会

会員が地域の垣根を越えて勉強、交流できる支部間での合同例会を、年数回開催します。会員経営者の経営体験を基礎に、同友会らしく会員相互の学び合いができるように工夫します。

(4)一人ひとりを大切にした例会にするために

同友会の会合は本来自主的に参加するもので参加を強制できませんが、役員がその会員の自主性を引き出すために、参加を呼びかけることは大切です。また、参加の場は例会だけでなく、支部行事・委員会・研究会・県行事・全国行事等多様な形で参加できるようになっています。そういったことを会員に知らしめる場として、この支部例会を大いに活用して学ぶ場所がたくさんあることを教えてあげてください。

役員の気持ちが一つになって、魅力ある例会が開かれている時はいいのですが、それもなかなかうまくいかない場合があります。

そんな時に問題になるのが出席率の問題です。その原因に2つが考えられます。

第1は、同友会の活動の不充分さから来るものです。入会される時に、同友会の説明が充分でなかったり、例会が不活発だったり、会員間でトラブルが起きたり、行政区以外の支部に所属し、遠いためついつい参加しにくくなったなどいろいろ考えられます。
この場合は、

  1. 同友会の目的・理念を具体的に説明し、どのように活用するかよく理解してもらう。
  2. 会員の声をよく聞いて例会のやり方を改善する。
  3. 支部移動をしてもらう。

などのようなことが考えられます。

第2は、その会員の経営の実情や個人的事情から来るものです。人手がないため出にくかったり、健康上の理由があるなどで、容易に解決しにくい場合もありますが、同友会の素晴らしさをよくつかんでもらった上で、

  1. 時間をつくってもらう。
  2. なるべく参加しやすい日時を検討する。

など本人とよく話し合って実情にあった形で参加してもらうことが大切です。

以上のように原因と対策は不充分ながら考えられますが、何よりも大切なことは役員とパートナーとしての事務局が一体になって、魅力ある同友会づくりを進めることが根本です。その際、「同友会らしい例会にするポイント」の一つひとつをやり抜くことが大切ですが、同時に役員の結束が決め手です。役員は同友会理念の体現者として、個々の活動そのものの中に、同友会の考え方を行動で示すように努力しましょう。

また、忘れてならないのは中小企業家の多忙さです。今日の厳しい経営環境の中で、勉強より仕事を優先したいと考えることは無理がありません。

ですから、ごく自然に出席しやすい場をいかにつくり出すかについて、会員の英知を結集することが求められるのです。特に人間関係をよくすることが重要であり、会員同士がお互いに訪問し合うことも有効ではないでしょうか。

また、会員数の多い地域では例会を補強するものとして小グループ活動(メンバーをいくつかに分けて集まる会合)や有志によるグループ活動(テーマ別・趣味別)も効果的な方法です。有志によるグループをつくる場合、基本は会員全員に呼びかけると同時に、諸費用はそのグループの負担として運営します。

(5)支部例会の企画・立案

1 例会の内容検討

例会のテーマ

支部の年間活動テーマに沿い、かつ会員が学びにつながるテーマを設定します。テーマの決定においては

  • 支部活動のテーマとの一貫性
  • 学びのポイントが明確か

に注意します。これらの点が不明確な場合、学びが少なくなるだけではなく、出席者への声かけなどが難しくなり、運営そのものにまで影響します。場合によってはサブテーマを設け、自分の所属支部内だけではなく、他支部の会員、会外の経営者にもわかりやすく興味を引き付けるようにします。

例会企画書(①前月の反省 ②当月の準備 ③翌月の詳細 ④翌々月の概要 の4点は最低限おさえ、可能であれば翌翌々月のねらいまで記載)を活用し支部役員会にて協議、承認後具体的に準備を進めていきます。

報告者

その方の経歴、仕事の内容の紹介だけはなく、なぜそのテーマにふさわしい報告者であるかということを簡潔にまとめ、支部の役員会に諮り決定します。また、他県の同友会の会員に報告を依頼する場合は、必ず事務局を通すようにします。この場合、交通費や宿泊費、謝礼なども事前に確認し役員会に諮り決定します。

日時

なるべく多くの会員が参加できる日を選びますが、年間を通して「毎月第○水曜」などと決めておくと予定がたてやすく、参加者も多くなります。

会場

参加しやすい会場で、参加者数に見合った大きさの部屋を選びます。報告者によっては必要な設備もあるので、そのあたりの確認も必要です。基本は例会に集中できるような環境を整えることです。また、Web会議との併用に備え、各支部で必要な機材と設営方法、事前の音響確認なども行う必要があります。

主旨・目的

ここが最も大切な所です。例会を受け持つ担当(班・委員会など)は充分に討議し、例会によって得ようとする学びをはっきりと簡潔にまとめ、支部役員会で協議、決定します。

プログラム

特に報告とグループディスカッションが中途半端にならないよう時間配分に注意を払います。

  • 準備の人員の集合時間
  • 受付開始時間
  • 開会時間
  • 支部長あいさつ
  • 新入会員、ゲスト、他支部会員紹介
    新入会員が気持ちよく溶け込めるよう、またゲストや他支部会員に対し出席していただいたことの感謝を込めて必ず行います。
  • 連絡事項(県および支部の情報)
  • 主旨説明及び報告者紹介
  • 報告
    報告者が内容を充分に伝えられる時間を設定します。
  • グループディスカッション
    グループを適当な人数(6~8名程度)に分け、各人が充分に意見を言える時間を確保します。
  • グループ発表
  • 質問の回答及び報告者の感想
  • 総括(まとめ)
  • 閉会挨拶

司会または室長が行います。

役割分担

受付、誘導、看板準備、例会司会、主旨説明・報告者紹介者、二次会司会など当日の運営に関わる部分だけでなく、会場手配などの事前準備に関わる部分もはっきりさせます。

室長

例会全体の運営と進行を務めます。報告が始まるまでと座長のまとめが終わった後、例会閉会までの責任を持ちます。報告者と座長が落ち着いて発言できるように例会全体の運営について心配りをします。当日欠席があり、予定していた各グループの人数が少なく、グループディスカッションが困難な場合は臨機応変にグループの再編などを行います。

座長

報告者の報告内容についての全責任を持ちます。室長から進行を任された後、座長のまとめまでの内容づくりを行います。シミュレーション(報告の予行練習)時に報告のポイントや内容の整理、グループディスカッションテーマの設定などを行い、例会当日に出席者に学び、深めてもらいたい内容を整理します。

シミュレーション

報告者と報告テーマなどが決まったらシミュレーションを行います。シミュレーションとは報告者と座長、担当班や委員会メンバーが例会前に数回集まり、本番さながらの報告を行うことです。報告内容や報告時間など事前に数回打ち合わせを行うことで例会当日に向けて、報告者が伝えたい点、出席者が学び合う点などをまとめていきます。

出席人員目標

内容によって、自支部、ゲスト、他支部それぞれの出席目標数を設定します。通常は自支部のみならず、ゲストや他支部会員にも広く声をかけ、バラエティーに富んだ出席者から貴重な学びを得ることをめざします。他支部会員が報告をする際は報告者が所属する支部にも案内を出すようにします。その場合、開催する支部の支部長が報告者が所属する支部の支部長へ事前確認をとり、案内を出します。例会の内容によっては全支部(全会員)に案内を出したいというケースがあります。この場合は「全支部へ案内を出す理由・メリット・意義」などを事務局に挙げ、事務局から全会員へ案内を出します。魅力的な例会内容を企画し、運営することは「声をかけやすく」することにつながり、より多くの仲間を集めるための基本です。但し、内容によっては自支部のみで開催ということも必要です。

予算案

同友会では「受益者負担」が原則ですので、出席者数、会場費などを充分吟味し現実的な予算を検討します。

2 例会案内状

  • 案内状を一目見ただけで例会の魅力が伝わるようなコピーを考えます。同時に主旨・目的が明確になるような案内文を作成します。
  • 会場の地図(案内)を入れます。
  • 案内のタイミング
    できるだけ多くの方に出席いただくには、遅くとも開催日の3週間前迄には原則e.doyuで案内します。出欠回答の期限を決めておきます。
  • 未回答者には早めに再度、出席を促します。・会費を明確にします(例会費だけでなく懇親会費も明記しておくとよいでしょう)・締切後のキャンセルは実費を申し受ける点を明記します。
  • 懇親会の出欠もいただけるようにすると合理的です。

3 例会前

例会の出欠のフォローは、担当班や担当委員会等が中心となり、班長や委員長の協力も得ながら早めに行います。特に新会員等には同じ班や委員会のメンバーが責任を持って声をかけます。またシミュレーションを企画しグループディスカッションテーマの設定や事前のグループ割、グループ長の依頼などを行います。
※班とは、例会の運営をする支部内の組織。

4 例会の当日運営

  • 例会の当日は、担当班は早めに集合し、会場の設営、受付の準備を行います。特に受付は短時間に集中する傾向があるので、自支部、ゲスト、他支部などの受付窓口を分けるなど、余裕を持った人員の配置を行い、スムーズに時間通りに例会が始まるようにします。Web会議を併用する際は音響チェック、共有するデータの確認、バックアップの確認など本番での進行に支障がないよう準備します。同友会旗は左から「スローガン」「会旗」「三つの目的」の順で設営します。
  • ゲストの方が心細いことのないよう、役員、仲間づくり委員は積極的に名刺交換や声かけをします。受付周辺に待機しているとすぐに対応ができます。
  • 進行は予定通りに行うことが原則ですが、場合によっては報告の時間を増やすなど柔軟な対応ができるようにしておくことが理想的です。懇親会は希望者の出席とします。
    (当然、飲酒運転は厳禁です)

※参考「懇親会の運営」
懇親会は報告者や他の会員と突っ込んだ話ができるよいチャンスです。ここでの充実した意見の交換が例会での学びを深めます。報告者にも率直な質問をぶつけ、再度お話しいただく時間をとるだけでなく、出席者に感想などを話してもらう機会をつくるとより充実したものになります。また、懇親会においても司会をおき、出席者全員から発言がもらえるよう上手な時間配分を行いましょう。

5 例会後

  • ・仲間づくり委員を中心に、お越しいただいたゲストの方にお礼状や次回の例会案内を発送することで仲間づくりにもつながります。
  • 例会担当はまとめを行い、次回役員会に報告します。

(6)同友会におけるグループディスカッションの意義

《グループディスカッションの意義》

同友会では、6~8名のグループに分かれて「グループディスカッション」と呼ばれる小さな討論会を行います。「グループディスカッション」は次のような意義を持っています。

報告の更なる理解

グループ内のそれぞれの人が受け止めたこと、感じたことなどを交換しあうことにより、自分のアンテナ以外に感受された点を広く知ることができ、報告の内容をより深く理解できるようになります。

報告の状況を自社に置き換える

さまざまな報告を聞いても、単に「いい話を聞いたな」で終わってしまっては、本当の意味で自分のものにはなりません。自社の経営とすりあわせれば、人・物・金・時間・情報などの共通点が必ずあるはずです。一見関係ないようなことでも自社に置き換えてみることで、思わぬ多面的な視野が拡がることがあります。

明日の経営に生かせるヒントをつかむ

グループディスカッションの一番の目的は、報告とグループ内の意見交換から、自社の経営に役立つヒ
ントを掴み取ることです。自社の経営を前進させるために、さまざまな意見に謙虚に耳を傾け、実践的な立場に立って吸収してこそ価値が生まれます。同友会ではこれを「学び方を学ぶ」と呼んでいます。

遠慮なく恥をかいてみる

実際の経営現場では、ピントはずれで突拍子もない発言で恥をかくことはできないものです。恥ずかしい思い、悔しい思い、悲しい思いが、人間の成長の大きな原動力になります。恥を恐れず、自分の思ったことを言ってみる、そのような場を通じて自分の成長を促すことができる場が、グループディスカッションです。

出席者相互の理解を深める

グループディスカッションで本音の意見が交わされ、それを出席者全体で共有することは、わずか数十分の同席であっても、単なる名刺交換よりはるかに深く知り合うことができます。このような機会は、本当の仲間が中々できにくい多忙な現代にあって、貴重なチャンスです。すすんで、いろいろな方と知り合いになりましょう。

《グループディスカッションのマナー》

せっかくの「グループディスカッション」を有意義なものとするために、出席者は次のマナーを守りましょう。

  • 〔本音で交流〕が基本ですが、「言いたい放題言う」こととは違います。いろいろな人の体験や発言に誠実に接し、謙虚に学ぶことがスタートです。
  • 発言は短めに、要領よく。一回の発言は3分が基本です。
  • 話の腰を折ったり、重箱の隅をつつくような意見は控えましょう。討論に勝つのが目的ではありません、自社の経営に生かすことが目的です。
  • 多様な意見に謙虚に耳を傾け、尊重し、意見の食い違いがあれば議論し、新しい発想であれば素直に受け止めて、議論によって対立するのではなく、お互いの立場を理解しあうという前向きな姿勢で、討論を深めていきましょう。
  • 討論が細かなノウハウに終始しては、本来の意義がなくなります。さまざまな問題の本質を引き出すことから、実践的に応用できるヒントが生まれます。
  • 「マネ」でもいいから、すぐ実践しようと思うことを「おみやげ」にもって帰りましょう。

《発表者のマナー》

グループ発表とはグループディスカッションで深まった点、確認した点をまとめて報告していただくものです。発表を聞くことで、他のグループではどんな意見が出ていたのか、どんな部分で深まったのか、また、本日の例会の開催目的を達成できたのかが明らかになります。より多くの学びを得るためにもグループ発表者の方は下記の点にご注意ください。

  • 発表内容はグループ内の参加者に確認してください。(まとめはグループ長が行います)
  • まず、自分の会社名と名前を述べてください。報告者への謝辞は必要ありません。(同友会の勉強会は報告者が一番学べるという立場から講師ではないのでお礼は必要ありません。)
  • 意見の羅列や個人的意見は必要ありません。
  • 時間を厳守してください。時間内に簡潔に発表することは、それ自体が学びになります。