(1)会員間の経済交流について
会員間の経済交流では、いくつかの原則があります。
まず、会員が同友会を市場としてだけ見る限り、会はその会員にとって期待通りに反応しないということです。(会外の経営者に、同友会に入ると会内にお客様が増えて売上が伸びると言って入会を勧めるのは誇大広告で正しくありません)
入会し、例会などに積極的に参加することによって友人を得る。相互の人間的信頼関係をベースにして、経済交流が生まれる可能性もあるということです。
また、会員相互の取引だからこそ、安易なもたれあいや遠慮は排して、お互いが鍛えられるようにしましょう。商品やサービスの向上、社員のマナー、取引のマナーも相互にチェックすることで、経済的なメリット以上のものが生み出されるようにしたいものです。
<経済交流3つの申し合わせ>
- 同じ物を買うなら会員企業から
- 率直に話し合い、お互いに利益の保証を
- 友情と信頼を更に深めよう
(2)政党、自治体、他団体との関係
1 政党・政治団体との関係について
- 会が要請する場合
来賓・あいさつのお願い
祝電・メッセージのお願い - 会が要請を受ける場合
来賓招待参加
あいさつの依頼
メッセージの依頼
小報告・講演・パネリストの依頼
取材・対談・見解の依頼
政党主催会合への出席依頼について
出版物、チケット等の紹介
【どんな問題が発生するか】
- 「会が要請をする場合」には、来賓のあいさつのお願い、祝電・メッセージのお願い等、一番発生しやすいのは当日になって、ある政党だけ(事前には予定いただいていたにも拘らず)当日突然欠席されるケースがあります。祝電・メッセージ等は締切を早めにして、何度も確認を入れさせていただくことで突然の欠席という事態を回避できますが、来賓・あいさつなどはそれだけでは解決できませんので、打ち合わせを含めて何度も確認することが特に大切です。
- 「会が要請を受ける場合」には、私たちの意図とは別に要請として飛び込んでくるわけなので、内容やテーマ、私たちがお話しできる活動内容や経営実態等の範囲で、どの政党であっても要請に基づいて検討します。議員個人や議員の後援会等の要望には会員個人が応えることはできますが会として対応することはしません。
【その他に、どのような対応があるか】
「会が要請をする場合」、会にはいろんな知恵や人脈があります。この人脈(個人ルート)をパイプにして付き合いが始まるケースが多いようです。
こういう場合に気を付けておくことは、会員の個人ルートでパイプができる場合も、このルートだけにいつまでも頼っていると会としての「政党や議員対応」という分野には広がりません。ここで大切なことは会員の人脈(個人ルート)をパイプにして政党との付き合いが始まった場合も、会の対外活動として公式的なものにすることが大切です。
また、実際に会合の席で気を付けることは、会員個人の発言であっても相手がわざわざおいでいただいたことに対する礼を失しないことが重要で、参加者は日頃の会内会合で「ホンネで指摘しあうことの良さ」のように思うかもしれませんが、「ホンネで話すとは、何でも無遠慮に発言することではない」という感覚で対外的には特に気を付けることが必要です。最初の印象に気を付けないと「あの席の、あの発言が大変失礼なので、同友会の会合には行きたくない」という過去の経験はいくつもあります。
逆に、地方自治体の長や政党代表等に出席いただき、激励のあいさつや祝辞をいただく場合に会の側が気にしすぎて受け身にまわると、政治的に取り込まれてしまって、個人の後援会活動への参加を求められたり、選挙の時期になって支持を求められるなどの事態になって、支部が分裂に陥ったり役員や事務局が困ってしまうケースも全国的には発生しているので、注意が必要です。
このように会の活動に外部の関係者にご出席いただく場合には、必要な心配と配慮を働かせ、特に謝礼やお車代もきちんと手当てをして一線を引き、対外活動のマナーに反しない準備を心がけることが大切です。
一方、「会として要請を受ける場合」は団体の目的や性格、会合の主旨やテーマをよくご説明いただき、私たちでなければ伝えることができない中小企業や業界の状況や経営の実態、同友会の運動などを伝えるのにふさわしい会合かどうか、同友会理念に照らして判断することが求められます。
こういった要件が整っていれば、「暴力的団体で社会常識に欠ける」「特定の政党の支持を求められる」「特定の宗教の入信を求められる」等のものでない限り、主催がどこであっても会としては要請に応じて出席するという前提で対応することが必要です。
【具体的には】
- 会の目的・性格や会合の主旨・テーマ等の説明を受け、同友会の目的や理念に照らして判断する。基本に合致していれば主催がどこであっても拘り無く要請を受け入れる。それは有料のものであっても適正なものであれば対応する。
- 手続き上は正式(文書による)「依頼状」等によって要請を受ける。
- 主旨・目的・登場者等を含め「理事会」でその都度検討の上、必要な役員を派遣する。
- その対応は理事会に報告し、結果も理事会に報告する。
- 取材の要請についても、それがどこの団体や政党であっても同様に受け入れる。その後掲載された記事を提供いただいた場合は、理事会で紹介し、必要があれば会員にも報告する。
- 政治家個人が主催したり、その後援会が主催する会合や、政党の主催するものであっても旧来の政治資金を集めるためのパーティ等には出席できない。
【選挙に際しての心得~政党・候補者への望ましい会の対応の仕方】
- 支持・推薦の依頼の受け方について選挙にあたっては各政党や候補者個人から、支持や推薦の依頼が多数寄せられるが、同友会としてはどの政党や候補者個人も支持や推薦をする立場にはなく、どの政党や議員とも対等にお付合いをさせていただくので、依頼についてはお断りする。
- 議員候補者のあいさつの扱いについて議員候補者から例会での「あいさつ」の申し入れがあってもお断りする。
- 会員が立候補する場合の扱いについて
・日頃一緒に経営努力を重ねる学びの仲間であっても、親しいからといって同友会や支部の名をもって支持や推薦を表明することはできない。これは外部からの要請に対する対応と全く同様である。
・同友会の基本精神に立って、会員個別に応援する有志を募るとか、同じ会員同士という立場で健闘を祈るなどのことは、中小企業家の政治参加という立場で進めたい。
・議員候補者を励ます会や、激励パーティ等の席上であいさつや乾杯など登壇を求められ、個人として対応することはあるが、同友会の役職で対応することはできない。
・議員候補者としてポスターやチラシ等を作成することがあるが、この場合に候補者個人の経歴として同友会が登場することはあっても、支持や推薦団体として同友会が登場することはない。掲載されれている場合は削除を求める。
・この会員が当選して、議員となった場合、経営者の役割を継続して会員資格を有している場合は会員として会活動に参加することができる。しかし、議員活動が中心で経営者としての会員資格を失っているような場合は、速やかに後継の経営者と会員籍を変更されることをお薦めする。また、支部は顧問や相談役として特別な立場に位置づけることはふさわしくない。
(※長崎県中小企業家同友会:公職選挙及びその関連に対する長崎同友会の姿勢と原則を参照)
2 自治体、他団体との関わり
同友会が会勢を伸ばし、社会的に知られるにつれて、地域から注目される存在となってきます。
中小企業家の政策要望に限らず、地域経済の振興、町おこしのための創意的な提案を行い、自治体、地方住民とともに行動をおこすことで地域社会に貢献することが期待されています。
また、同友会は、第3の目的にも掲げているように、広く他の中小企業団体とも連携して、中小企業の経営努力が報われるような経営環境の確立に努力しています。そのためには、日頃より、地域の他の中小企業団体との情報交換や、役員間の交流を深めておくことが大切です。
さらに、教育機関、マスコミ、文化・福祉・労働・市民団体とのつながりも大切にすべきでしょう。
(3)財務に関する申し合わせ
- 慶弔長崎県中小企業家同友会:慶弔規程参照。
- 会員報告者(講師)などへの謝礼の目安
1)長崎同友会会員(他支部)
お車代5,000円
※懇親会費はいただかないケースが多いようです。
2)長崎同友会会員(同支部)
無料
3)各地同友会・事務局
30,000円〜 (交通費・宿泊費等別)
4)中同協役員
50,000円〜 (交通費・宿泊費等別)
5)会外講師
随時検討